ご案内

金利が多少上がりはじめた二〇〇六年四月段階でも、優遇金利やキャンペーン金利を利用すれば一・〇%から一%台前半の超低金利で利用することができる。
超低金利で返済額を少なくできる分、シッカリと貯蓄を進めておき、将来金利が上がったときに一部繰上げ返済して返済額上昇に備える態勢をとっておけば、金利上昇リスクはほとんど解消できるといってもいいだろう。
その中間の二〇年程度の返済期間を利用する場合には、ほどほどにリスクもあるが、金利もほどほどに安い固定期間選択型の特約期間一〇年のなかから、より金利の低いローンを利用する方法などが考えられる。
固定期間が一〇年あれば、その間に繰上げ返済資金を増やしておけるし、若い人であれば年収もある程度上がっているはずだ。
そうした人なら、二%台前半の金利で利用できるこのローンが最も現実的ということになるだろう。
ただ、最近は全期間固定金利型と変動金利型や、固定期間選択型の特約期間の短いものを組み合わせたタイプのローンの利用者も増えている。
固定金利の安心感と、超低金利の負担の軽さ、双方のメリットをほどほどに享受しょうということだが、その分リスクもほどほどにあるということを知っておく必要がある。
元金均等返済は金利上昇時の増額率が高くなる住宅ローンの返済方法には、元利均等返済と元金均等返済がある。
「フラット35」では利用者がどちらか希望するほうを選択できる。
民間では、かつてはほとんどのところが元利均等返済のみだったのが、最近では元金均等返済を利用できるところが急速に増えているので、返済方法の選択肢のひとつとして、両者の仕組みについて十分に認識しておきたいところである。
元利均等返済というのは、図表38にあるように、毎回の返済額の利息と元金の合計金額が均等ということで、当初一〇万円の返済額であれば、金利が変わらなければ完済まで毎回一〇万円ずつ支払うことになる。
この方式では、元金均等返済に比べると当初の返済額が少なくてすむ点が最大のメリット。
しかし、元金均等返済より当初の元金の返済額が少なくなるため、なかなか元金が減らず、結果的に完済までの総返済額は元金均等返済より多くなってしまうのが難点。
ただ、何といっても当初の返済額が少なくてすむのは大きなメリットであり、近年は元金均等返済利用者が増えつつあるとはいえ、この元利均等返済を利用する人のほうが多いのが実情である。
一方、元金均等返済は毎回の返済額のうち元金分が均等で、利息分が変わっていく方式。
三〇〇〇万円の借入額、三五年返済であれば、毎回の元金分の返済額は、3000万円÷35年÷12か月∬7万1428円ということになる。
これが完済まで変わらない。
元利均等返済だと毎月の返済額は一一万五四五五円で、第一回目の元金分は四万四五五円にとどまる。
これに対して、元利均等返済は最初からずっと七万一四二八円の元金返済だから、元金均等返済のほうが早く元金うが少なくなる。
しかし、金利が上昇したときの増額率は元金均等返済のほうが高くなる点には注意しておく必要がある。
三五年返済で三〇〇〇万円を、当初金利三%で利用したケースをみると、元利均等返済では当初返済額は一一万五四五五円。
これが五年経過後に金利が一%上がると先の図表37にあるように、返済額は一三万七三八円に増える。
増額率は一三・二%だった。
これに対して、元金均等返済だと、六〇回目の返済額は二一一万五八九二円で、残高は二五七一万四三二〇円に減っている。
そこで金利が一%上がると、返済額はこう変わる。
2571万4320円×0・04÷12+7万1428円〃15万7142円前回の返済額に対する増額率は一五・六%。
元利均等返済に比べると若干増額率が高くなることが分かる。
ただ、それでも第一回目の返済額の一四万六四二八円と比べた場合には増額率は七・三%台にとどまるし、完済までの総返済額が元利均等返済より少なくなる点は変わらない。
したがって、ローンの返済計画にあまり余裕がないという人なら、当初の返済額が少なくすみ、金利上昇時の増額率も低い元利均等返済を利用するのが安心だ。
しかし、比較的返済に余裕のある人であれば、金利上昇時には多少返済額の増額率が高くなることを覚悟して、完済までの総返済額が少なくなる元金均等返済を利用するのが現実的な選択ということになりそうである。
「フラット35」とはどんなローンなのか以上の結果を踏まえて、三〇年、三五年などの超長期返済を利用するケース、二〇年程度の返済期間を利用するケース、一〇年程度の比較的短い返済期間を利用するケースに分けて、どのようなローンを使うのが一番安全確実なのか、具体的に整理しておこう。
まず、三〇年、三五年といった超長期のローンなら、何よりも全期間固定金利型が安心だ。
その全期間固定金利型の代表格が、住宅金融公庫と民間が提携した「フラット35」ということになる。
これは、民間機関が個人に融資したローン債権を住宅金融公庫が一定の金利で買い取ることを前提にしたローン。
住宅金融公庫ではその債権を証券化して機関投資家などに売却する。
これによって、民間機関が超長期で比較的低利なローンを供給しやすくしたわけである。
事実、全機関の平均金利は二〇〇六年四月で三・〇四八%と民間独自の超長期ローンに比べるとかなり低くなっている。
ただ、一部のメガバンクでは自社ローン重視の立場から、「フラット35」の金利より低い金利のローンを販売しているところもある。
その具体的な例は後に紹介する。
この「フラット35」、消費者からみた場合、融資の窓口となるのは民間機関であり、契約の主体も民間機関で、借入後の返済先も民間機関である。
万一延滞が発生したときの債権回収に当たるのも民間機関と位置付けられているが、融資の枠組みは証券化を推進している住宅金融公庫が決めている。
従来の超長期の全期間固定金利型の代表格であった住宅金融公庫の直接融資と比較すると、たいへん使い勝手がよくなっている。
たとえば、公庫融資では融資金額が物件によってマチマチである上、公庫融資だけでは資金が不足するため、他の融資と組み合わせて資金を調達しなければならないことが多かった。
しかし、「フラット35」なら全国一律に八〇〇〇万円までとなっていて、収入基準などを満たせれば、一括して借り入れることができる。
手間ヒマや諸経費の面などで格段に有利な内容になっている。
また、融資の対象も公庫融資では原則的に対象とならなかった専有面積五〇平米未満のマンションでも、三〇平米以上からOKになっている。
一戸建ては原則的に敷地面積一〇○平米以上だったが、「フラット35」では敷地面積要件がなく、一〇〇平米未満でも可能になっている。
そのはか、保証料が無料、繰上げ返済の手数料も無料などのメリットもある。
金利に関しては公庫が買取り条件として提示する金利に、各機関が自社の手数料や経費などを乗せて独自に決定することになっている。
このため、同じ「フラット35」でありながら、機関によって金利が異なる。
この「フラット35」に力を入れている機関は比較的低い金利を設定しているが、メガバンクでは自社ローンの販売を優先する方針から、全機関の平均的な金利に近いものになっている。
「フラット35」申込み件数は前年の三倍に金利面で目立っているのが、グッド住宅ローンのブランドで知られるSBIモーゲージなどのノンバンクだ。
原則的に店舗を持たず、インターネットや不動産会社、住宅メーカーとの提携ローンなどにシフトすることで間接費を削減、低い金利を設定している。
このため、これまでの「フラット35」の申込み件数をみると、トップはメガバンクのみずほ銀行だが、二位以下にはノンバンクがズラリと並んでいる。

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